台風15号の千葉市上陸から丸一日。街路樹が根こそぎ倒れたり、ゴルフ練習場が倒壊したり、交通網が寸断されるなど都市部を直撃した台風の恐ろしさを目の当たりにした。千葉県では現在でも57万6400件の停電が続いている(9月10日午前8時25分現在)。酷暑の中、エアコンが使えない状況で、住民の熱中症が心配だ。コンビニやスーパーの営業もできない状況だ。また、停電の影響で県内400箇所の信号機が停止(9月9日午前11時NHK報道)、交通渋滞が続いている。東京電力には一刻も早い復旧を要請したい。
停電の原因は、これからはっきりするのだろうが、台風で電柱が倒れたり、架線が切れたりしたことが影響しているのではないだろうか。電線地中化を怠ってきたつけがまわってきたのだ。無電柱化率は一番進んでいる東京都でも5%程度、千葉県が1%、千葉市が3%程度だ。ロンドン・パリやシンガポールでは100%、台北も100%近い(国土交通省ホームページ)。電線地中化は、戦前、東京都文京区や満州でも進められていた。戦後は、復興を優先し「一時的」に電柱を立て「まずは電柱で電気を送り、余裕が出てきたら地中化しよう」ということになったようだ。
台風15号は各地で観測史上1位の最大瞬間風速を記録するなど、記録的な暴風雨をもたらした。地球温暖化が関係しているとすれば、こうした強い台風が都市部に上陸する可能性があり、今後も今回のような大規模停電を引き起こすかもしれない。無電柱化を進めるべきだ。電柱をなくせば、大規模災害時の倒壊による道路の寸断を防ぐこともできる。また、景観も良くなる。未来につながる公共投資として無電柱化に取り組んで行きたい。