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形骸化が進む安倍総理の「移民拒否政策」

安倍総理が、外国人労働者受け入れの拡大を表明しました。ただし「移民」は認めないという条件つきです。
「安倍内閣として、いわゆる移民政策をとる考えはありません。(中略)在留期間の上限を設定し、家族の帯同は基本的に認めないといった前提条件の下、真に必要な分野に着目しつつ、制度改正の具体的な検討を進め、今年の夏に方向性を示したいと考えています。」(2月20日経済財政諮問会議)
つまり、①家族を帯同せず、②期限を切る、場合は、「移民」にあたらず、労働者として受け入れを認めるということのようです。

私は、外国人労働者の受け入れを拡大することには賛成ですが、上記の条件には反対です。期限を切られて腰を据えて働くこともできず、「家族」の帯同も認められない条件で、優秀な人材が来るでしょうか。外国との労働力獲得競争に破れてしまいます。その点を予算委員会の分科会で、検討の当事者である菅官房長官に提言しましたが、「移民は受け入れない前提。勉強会で人手不足の現状を分析し、6月には方向性を出したい」という答弁のみでした。

安倍総理は、政権を支える「保守」派を気にして「移民は受け入れない」と繰り返し発言しているのではないでしょうか。外国人労働者は、安倍政権の5年間で68万人から128万人に倍増しています。移民の一般的な定義は「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12ヶ月間当該国に居住する人のこと(長期の移民)」(国連統計委員会への国連事務総長報告書(1997))。安倍政権は、積極的に「移民」を受け入れているのです。国民はなし崩し的に外国人労働者が増えている現状を不安に思っています。
「移民受け入れ」を正面から議論すべきです。どこまで外国人を受け入れるのか、どのような人材を、人口の何%まで受け入れるのか、正面から国民に問うてはどうでしょうか。

人口が減少する中、国の豊かさを保つため、優秀な外国人労働者の受け入れを考えるべきです。特定の勢力に配慮し、「家族を帯同しない」「短期で帰国させる」など身勝手な条件をつけることは、優秀な人材の受入れを妨げ、国の発展の妨げになります。変化を恐れず、改革をするのが真の「保守」ではないでしょう