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他国頼みの外交の限界

今日の各紙は「共同宣言や共同記者発表で、日本人拉致問題への言及はなかった。」(日経)と報道しています。非常に残念です。
今週26日の予算委員会で、安倍総理は、文大統領から北朝鮮側に「安倍総理の立場を伝える」と前向きな返答を引き出したことを強調しました。「(24日の電話会談で)私から来る南北首脳会談において、拉致問題を提示してほしいと改めて要請しました。これに対し、文大統領からは『南北首脳会談で安倍総理の立場を伝える、拉致問題の解決が北東アジアにおける平和構築に資すると、金正恩委員長に話す考えである』との発言がありました」(安倍首相)。一国の総理が国会でここまで発言したにもかかわらず、実際に話し合いが行われたのか明らかでありません。
南北会談で焦点があたったのは、北が「完全非核化」に言及するかどうでした。韓国、米国の国益に叶うからです。「完全非核化」という言葉が共同宣言に入り、我が国としても評価できる結果だと思います。
一方、日本の拉致問題の解決が、共同宣言や共同記者発表で取り上げられなかったのは、韓国や米国の国益に必ずしも合致しなかったからではないでしょうか。韓国には北との「離散家族問題」があります。韓国政府に離散家族再会を申請しているのは13万人で、その中に拉致被害者も含めています。共同宣言は「南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚再会をはじめとする諸問題を協議、解決していくことにした。差し当たって、今年8月15日を契機に離散家族・親戚の再会を行うことにした。」とうたっています。韓国にとっては離散家族問題の解決が優先的な課題なのです。
拉致問題は、他国に一方的に依存する、安倍外交の限界を示しています。韓国に頼るにしても、日本の国益だけ一方的に主張しては、まともに取り上げてくれるはずがありません。どうすべきか。
交渉枠組みに入り、その中で北と話をするのが望ましいのですが、共同宣言は「南・北・米の3か国、または南・北・米・中の4か国の協議開催を積極推進することになった。」とあります。日本は完全に蚊帳の外。他国頼みの失敗。外交的な敗北ではないでしょうか。
厳しい状況ですが、曖昧なままの北朝鮮の「検証可能な、かつ不可逆的な非核化」については、韓国と国益が一致するはずです。中途半端な妥協をしないよう日韓で米国に釘をさしておき、トランプ大統領に、米朝首脳会談で北に具体的なスケジュールを示させるよう求めるべきです。
拉致問題は、米朝首脳会談での「完全非核化」が決着しそうであれば、経済支援をからめて、直接北と交渉すべきと考えます。
安倍総理には、言葉だけでなく、成果が問われています。