我が党の森ゆう子参議院議員が政府に事前通告した質問が、外部に流出、前日のネット番組「虎ノ門ニュース」で髙橋洋一嘉悦大学教授に批判され、またネット上でも批判にさらされた。森山自民党国対委員長も言っているように、「事前に質問通告が漏れて、それが質問の前に批判にさらされるようなことがあっては、国会議員の質問権という問題を考えるときに遺憾」。これは与野党問わずいえることだ。
誰が髙橋教授に質問内容を漏らしたか明らかにするため、昨日と一昨日「質問通告漏洩問題調査チーム」で政府からヒアリングを行った。f髙橋教授は虎ノ門ニュースの中で「私も(森ゆう子議員の)通告書を見ましたよ。まあまあ〜私の方に、役所の方から、役所の方から来たんですよ。まあ箇条書きでぽんぽんと書いてあって、すごいひどかったんだけど。さらに追加が来てた。」「ちなみに髙橋さんは担当の省庁の、担当課の人からいつ聞いたんですか。いつ会ったんですか。」という問いには「これは質問通告終わった後ですね〜金曜?土曜だったかな。もちろん、省庁の人も来てすぐは、こんなのって言わないでしょ。」などと話している。このとおりであれば、守秘義務に抵触する大問題だ。
少々長いが内閣府が行った髙橋教授への聞き取りを掲載する。「11日夜、原氏(注: 森議員が参考人招致を求めていた国家戦略特区ワーキンググループの原英史・座長代理のこと)から電話で、「森議員の15日予算委員会の質問通告の中に嘉悦大学の名前がある。毎日新聞からの取材は今もあるのか」と連絡を受けました。同時期に同じ内容のメールを受けています。添付ファイルなしです。原さんには毎日新聞の取材はないと言いました。原さん以外の政府関係者との接触はありません。その後、12〜13日になってツィッターで森議員の質問通告の遅れが話題となっているのを知りまして、その際森議員のツィッターに質問項目がある(注:森議員によれば詳細項目は発信していない)のを見ました。これらの情報に基づき14日朝の虎ノ門ニュースに出て話しました。役所から来たというのは原さんからのメールのことです。追加云々というのは、ツィッターで知った通告遅れ騒動を話しただけです。なお、番組で見たと発言しているのは、原さんのメール以外全てツィッターで見たものです。あたかも番組では本物を見たように話していましたが元役人ですから、このあたりは簡単に推測できます。ツィッターで書いたのは役所との接触、つまり、原さんとのやりとりです。番組発言の訂正ではありません。」
以上だが、多くの疑問が残る。例えば①虎ノ門ニュースでは「通告書を見た」と断言している点、②元役人の髙橋教授が原氏が政府から委嘱を受けた有識者であって「役所」ではないことくらいは理解しているはずだが「役所とは原氏のこと」といっている点などだ。これらについては引き続き解明をしていくことになる。
事実としてはっきりしのは、内閣府が原氏に11日金曜日夜メールで森氏の通告書(全体)とその詳細版を送ったという点だ。内閣府から当該メール及び添付ファイルのコピーが提出された。内閣府は、原氏が参考人として呼ばれるため情報提供したと言っているが、原氏に関係のない部分まで質問通告を送ることは必要だろうか。現に原氏から、髙橋教授に連絡がいったのだし、他にも通告書及び詳細版の添付ファイルをメールでもらったとする内容のツィートもある。それが事前の質問批判につながった。参考人とはいえ法律上の守秘義務のない原氏に詳細な通告内容まで提供したのは軽率だ。
報道によれば、今回の質問の担当大臣である北村地方創生担当大臣は、昨日、質問通告を受けた民間人が第三者に伝えたもので、政府の対応に問題はないという認識を示したようだ。確かに法律上はそうかもしれない。が、国家戦略特区ワーキンググループの座長代理であれば、今回のように様々な機微にふれる情報を扱うことになる。無制限に第三者に情報を流して良いのだろうか。
今回のようなことがこれまでもなかったと言えるだろうか。政権の顔色ばかり伺って、総理に近い関係者にご注進する体質になってはいないか。北村大臣は再発防止に努めるべきだ。
まずは、政府から委嘱する民間有識者にも守秘義務及び罰則を課すべきではないか。この点を政府に強く求めていく。
最後に、今回の質問通告の際、色々なボタンの掛け違いがあったにしろ、待機(役所での居残り)が深夜まで解除されていなかったとすれば非常に遺憾だ。関係者におわびをさせて頂く。