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憲法改正の必要性〜「地方自治」を優先すべき〜

安倍総理が提案した項目は、国益からみて、直ちに憲法改正が必要だろうか。例えば、9条3項を追加することが、安全保障上メリットとなるだろうか。仮に国民投票で否決された場合、集団的自衛権どころか自衛隊も違憲ということになりはしないか?
改憲できれば何でも良いのではなく、内政・外交の課題解決につながるものについて改正を検討すべきではないか。19日の憲法審査会でも発言したが、私が改正の必要ありと考えるのは、憲法第8章「地方自治」だ。地方自治の基本原則を定める部分だが、わずか4条しかなく、規定が抽象的過ぎる。この部分を以下に述べるよう改正することで、地方公共団体の意思決定を地域の実情に即し迅速に行えるようにし、「地方創生」の実現、「自治体消滅」に歯止めをかけることができると考える。
改正すべき点は、3つに分類できる。
1 地方自治の基本的考え方の具体化
現行では「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」(92条)と規定され、「地方自治の本旨」は「団体自治」と「住民自治」と解釈されている。私は、この2つの自治を条文上明確にするとともに、「分権」について新たに規定すべきであると考える。
地方自治法(1条の2)は、「住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、(国は)地方公共団体との間で適切に役割を分担する」「地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮される」ことを規定している。EC条約などでも定められた「近接性」「補完性」の原則を規定しているのだが、こうした「分権」の考え方を、憲法に明記すべきだ。さらに権限を実行する一般財源を保障するため「課税自主権」「財政自主権」についても規定すべきだ。
2 現行憲法の義務付けを改め制度を多様化すべき部分
現行憲法は、人口500万人の都市も500人の村も一律に二元代表制を義務付けている。また、都道府県と市町村の2層制も憲法の要請とされている。二元代表制について、議会が行政の運営者を任命するシティー・マネージャー制や議会の多数派から市長を選ぶ議員内閣制型など、地方公共団体が自ら選択できるよう憲法を改正してはどうか。2層制については、一定規模以上の政令市について1層制を認める「特別市」制度を明記してはどうか。地方公共団体の規模や運営能力に応じ、多用な組織形態を認めるべきだ。
3 新たに加える部分
1で分権を徹底した場合、課税や立法で国と地方の考え方がぶつかる場面が生じる。そうした権限の調整の場として、国と地方の協議の場を憲法に明記してはどうか。
我が国は、「人口減少」「高齢化」そして厳しい国家間競争にさらされている。教育無償化はこうした観点から必要だが、財源の見通しがたてば憲法改正をしなくともスタートできる。膨大なエネルギーを費やし憲法改正をするのであれば、課題解決につながるものを、まず対象とすべきだ。